コインランドリー経営は、「接客の必要がないため人件費がかからず、現金収入が得られる」ということで高い注目を集めていますが、やはり気になるのはその採算性です。
今回は、コインランドリー経営で採算はとれるのか、どのくらいの年収になるのか、成功するためにはどんな点を工夫すればよいか、といった点について解説いたします。
コインランドリー経営の採算性の最大のカギは立地
コインランドリー経営において採算をきちんととりたいと考えるのであれば、もっとも重視すべきは立地です。
コインランドリー経営を始める際に、「自己所有の土地や建物を使えば家賃がかからないし初期費用も安い」ということで安易に決めてしまうケースも少なくありませんが、コインランドリーの採算性は、毎日どれだけのお客が来店して利用してくれるかで決まります。
いくら自己所有の物件があっても立地が良くなければ利用客が来ず、月々の収支がマイナスになってしまうリスクが高まってしまいます。
ではどんな立地条件が理想的かというと、この点は都市部か地方かによって異なってきます。
都市部のコインランドリーの理想的な立地は駅近の住宅街
都市部であれば、車を持っていない人も多いので駅近であることが望ましいです。その上でさらに、単身者向けのアパート・マンションなどが近隣に数多くある住宅街が狙い目です。
ただし、車を利用する人ももちろんいるので、駐車場無しというわけにはいきません。2~3台の駐車が可能で、道路に面した部分がガラス張りで店内が見やすく、できれば角地の物件が理想的です。
地方のコインランドリーの理想的な立地は商業施設が近く駐車場が広大
地方在住の人の移動は車移動が主となりますので、地方のコインランドリー経営は都市部と違って駅近物件に強くこだわる必要はありません。
しかしその代わりに、駐車場の充実は必須条件となります。少なくとも5台以上の駐車スペースを確保するのが理想的です。
店内が明るく見やすい上に駐車場スペースも充実しているコンビニ跡は特に有力な選択肢として挙げられるでしょう。
また、地方では単身者だけでなく主婦層のコインランドリー利用も多いため「買い物の行きがけにコインランドリーに行き、洗濯乾燥している間に買い物を済ませる」などということができるよう、スーパーなどの商業施設が近隣にある立地が望ましいです。
立地以外の点でコインランドリー経営の採算性を高めるポイント
立地以外の点でコインランドリー経営の採算性を高めるポイントとしては、
- 店内が明るく見やすい状態であること
- 清掃管理が行き届いていること
- 店内の居心地をよくするための工夫がなされていること
などが挙げられます。
それぞれについて見ていきましょう。
明るく見やすい店内は女性も安心して利用できる
店内が暗い、見づらい状態だと、女性が一人で利用するのはためらわれてしまうケースもあるため、コンビニ跡などのように、外からでも店内の明るい雰囲気が見やすい状態であることは非常に重要です。
しっかりと清掃管理をして客足が遠のくのを防ぐ
コインランドリー経営に人件費はかからないから、と考えてあまりにも放置するのは禁物です。
ゴミやホコリが目立つようなコインランドリーは客足が遠のいてしまいますので、定期的にしっかりと清掃管理をして、店内を常にきれいな状態に保っておきましょう。
店内の居心地の工夫
洗濯が終わるまで店内で待つ人も多いので、その人たちの居心地にも配慮しましょう。
- 内装をあたたかい感じや楽しい感じにする
- 椅子を座り心地のいいものにする
- 雑誌や漫画を置いておく
などといった工夫をするのがおすすめです。
コインランドリー経営の気になる年収は数百万円/店舗
コインランドリー経営で期待できる年収は、基本的には1店舗あたり数百万円程度といったところです。
もちろん複数店舗を持てば数千万円の年収となるケースもありますが、それはあくまで最初の店舗経営が成功してから考えることです。
いきなり1店舗だけでの年収を欲張って、
- 店内も駐車場も十分すぎるほど広い
- 最新式の洗濯乾燥機を数多く取り揃えた
などとしてしまうと、初期費用が大きくかさんだ割にはお客が入らない、という事態になるリスクが高まってしまいます。
こうしたリスクを避けるためには、自分だけで決めてしまうのではなく、開業・独立支援業者の力を借りるのがおすすめです。立地などの条件と想定できる年収のバランスをしっかりと考えた上で、テナントのアドバイスをしてもらえるでしょう。
コインランドリー経営の採算性は条件によって大きく変わる
コインランドリー経営の採算性は、立地条件や店内の明るさ・見やすさ、清掃状態、居心地の良し悪しなどで大きく左右されるため、これらのポイントをしっかり事前に押さえておくことが非常に重要です。
自分だけであれこれ考えるよりも、こうした数々の条件を踏まえた上で採算性とのバランスも考え、適切なアドバイスをしてくれる開業・独立支援業者の力を借りることをおすすめします。